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    Tom Coyneの思い出

    • 2017.04.15 Saturday
    • 13:53

     

    昨夜は僕発案の大掛かりなイベントがあって、Tom Coyneが亡くなったというショックを引きづらずに過ごせた。その前にLoriとも電話で話して、やっぱりあんなに優しくて人を嬉しくさせてくれる、ユーモア溢れる人はいなかったね、ってうなづきあった。

     

     

     

    90年代に入り、自分に足りないのはワールド・ワイドのマスタリングの知識/経験だと感じて、80年代からずっとこの名前が載ってるレコードは間違いないって思っていた、Hearb Powers、Tom Coyne、George Marino、Ted Jensen、Stuart HawkesというNY/ロンドンの巨匠たちにマスタリングしてもらう機会を持った。

     

     

     

    中でもTom Coyneは、まずその独自のテクノカルな部分で抜きん出ていて、彼の部屋でマスタリングが進む様子を聞いていると、まず2つのキックが上手にアタックとボトムに棲み分けられ、その上にちょっと左右に広がりながらベースが載って、ピアノやコーラスがさらに広がり、歌がグッと前にせせり出て天井が上がって・・・俺、ぶっ飛んでるんじゃないか?って思うほど、音がそれぞれ適所に移動し、すっぽり収まっていく様を体験でき、音楽は9面の立方体の使い方だってすっごく理解ができて、その後の音楽の作り方が多きく変わった。

     

     

     

    プロデューサー不在の自分の音楽のプロデューサーはエンジニアだと常々思ってるんだけど、僕が出会ったマスタリング・エンジニア達は、僕の見たい景色の話を聞き、音を15秒聞いただけで「Watusi、この曲はベースラインがすっごくチャッチーだし、そここそが言っているファンキーさを表してるから、もっとそこを楽しめるようにしようよ!それには少しマスキングしてるコンガやドラムを少し整理して・・・こんな感じに・・・・うん、その手法にもA, B, Cの3つの方法があるけど・・・・どの方向が自分の見たい絵に近いかな?」なんていう問答から始まり、僕がAを選びと、「やっぱり80年代を感じるアナログ的なファットなムードだね、分かったこのアルバムはその方向で仕上げよう!」なんて言ってくれて、本当に学べるセッションが続く。

     

     

    2Mixなのにどんな細かい音のレベルや位置さえも変えられるテクニックに驚いて、ずっとミックスをお願いしていたエンジニア、大西くんにも速攻その後のセッションに同行してもらい、こんなことをやってるんだよって見てもらった。その時に大西くんが驚いていたのは、例えば僕がこの曲はスネアの胴鳴りがも少し感じたいな、なんて言った時のEQさばき。大西くん曰く「スネアの帯域は全くいじらず、低域や広域を少しずついじってったら、急にスネアの鳴りが変わって来た」それほど素晴らしく独特の技術を持っていた天才だった。

     

     

     

    COLDFEETの1stアルバムの時はアナログのカッティングもやってもらったんだけど、当時D'N'Bで流行っていた逆相のリバーブなんかも使っていたので、「うまいレベルにカットできない!」って悔しがってカッティング用の針も3回変えて、「もう最後の切り札だ。これでカットできることを一緒に祈ってくれ」なんて言って長い時間頑張ってくれて、朝までTomを使い続けた日本人という称号をスタジオから頂いた。

     

     

    一度お腹すいたって言ったら、近くにすっごい美味しいピザがあるからって自ら注文してくれ、それから僕らが行く度に「ピザ、行くか?」って言ってくれるから、わざとお腹をすかせて行くようにした(笑)

     

     

     

    9.11.の時に心配してメールしたら速攻「NYCも僕も大丈夫!ありがとう」って返事が来て、強くて優しい男だって改めて思った。

     

     

     

    なんてったて忘れられないのがその後、日本で音楽をやって行くと改めて考え直したCOLDFEETが当時、ある意味自分たちのリハビリの為に自主で作った「COLDFEET Presents Jazzfeet」というアルバムの冒頭にNYアクセントの紹介MCを入れたら楽しそうだってなって、Tomに頼んだら快く引き受けてくた事。送った原稿を留守電で入れてもらうという超アナログなやり方でお願いしたら、留守電のメモリー一杯になるまで、「う〜ん、イマイチ・・・・Take7!」なんて自分で言いながら何度も何度もやってくれてた。エンディングに彼のアドリブで「Elvis has left the building (ショーは終わりましたっていう意味)」なんてのまで入っていて、すっごく嬉しくなりました。

     

     

    その後、NYで会った時にも「Watusi!アルバムのツアーはいつからだ。俺はもうツアー用のパッキング済ませてるぞ!」なんて言ってくれて、宣伝してって言ってSterling SoundのTシャツを沢山くれたなぁ(笑)

     

     

     

    本当に本当に僕にNYの音楽の歴史や考え方(バーバラ・ストライサンドはマスタリングに3日かける話なんか最高だったし、M/Sなんて考え方は彼から教わった)を教えてくれたし、そして新たな音楽を切り開いていく為の新しい機材を技術者と共にクリエイトし続ける姿勢、教わったことを書き出したら切りがない。

     

     

    彼を失った音楽界の損失は計り知れない。また62歳の若さで彼を失ったご家族の悲しみを思うとまた泣きたくなる(Tomは娘さんが小さい時には週2回仕事も早く上がって娘さんをスイミング・スクールに送り向かいするほど家庭的な男でした)。

     

     

    前述した、George Marinoに続きTom Coyneも失った、Sterling Sound、いやNYのマスタリング。彼らの意思を受け継ぐ若手の登場を期待しています。

     

     

    僕の中のNYCという街を思い起こす男、Lew SoloffとTom Coyneを失い、益々NYCは遠い街になった。寂しい。

     

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